【声劇台本】西田家の受難 海水浴場

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■シリーズシナリオ
<シュークリーム事件> <西田怪談> <留年未遂事件> 
<幼馴染の謎の行動> <アウトドアの恐怖> <ご馳走>
<クリスマスと不思議な旅> 〈初恋の約束〉 〈初夢とおみくじ〉
〈睡眠不足?〉 〈日本の変わった文化〉 〈休日の過ごし方〉

■概要
人数:3人
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
西田 正志(にしだ まさし)
西田 清(にしだ きよし)
高坂  陽菜(こうさか あきな)

■台本

ミーンミーンというセミの声。

正志「暑い。この暑さはヤバいぞ」

清「言われなくてもわかってるよ」

正志「もう限界だ。エアコン付けないと死ぬぞ」

清「だから、壊れてるんだって」

正志「くそー! なんだって、こんな真夏にエアコンが壊れるんだよ!」

清「文句言ったって、どうしようもないでしょ」

正志「……清は暑くないのか?」

清「暑いよ」

正志「じゃあ、なんでそんなに冷静なんだよ?」

清「騒いだってどうしようもないでしょ。それに興奮したら余計暑くなるってだけだよ」

正志「くっ! 正論ばっかり言いやがって。可愛くない奴だ」

清「正兄ぃに可愛いって思われるなんて、ゾッとするね。いくら暑くてもごめんだよ」

正志「あれ? そういえば、総士(そうし)と隆志(たかし)は?」

清「プールに行ったよ。涼みに行くって」

正志「なぜ、俺も誘わん!?」

清「声かけたけど、起きなかったって言ってたよ」

正志「……」

清「今からでも行ってきたら?」

正志「んー。行くまでの道中が暑くて死にそうだな。それに面倒くさい」

清「……じゃあ、押し入れからビニールのプールでも出したら? それなら庭でもできるでしょ」

正志「あんな小さいの、膝くらいまでしか、浸かれないだろ」

清「こっちに文句言われてもね」

正志「そうだ! 海! 海だよ! せっかくの夏休みなんだから、海に行くってのはどうだ?」

清「……プールに行くのにも面倒なのに、海なんてもっと行くの大変でしょ」

正志「海は別腹なんだよ!」

清「ま、好きにすれば? 大体、お金が無くて家でゴロゴロしてるのに、海に行けるの? ああ、歩いて行けばタダか。頑張れば2日くらいで行けるかもね」

正志「……なあ、清」

清「貸さないよ」

正志「ちっ!」

清「水風呂でも浴びて、涼めば?」

正志「それだと、なんか、しょぼいんだよなー。気分的に。くそ。海水浴場に行きたいな。……あ、そうだ! いいこと考えた!」

場面転換。

海の波の音。

正志「陽菜、着替え、終わったか?」

陽菜「う、うん……。ど、どうかな?」

正志「あれ? 学校指定の水着じゃねえの?」

陽菜「海に行くっていうのに、学校指定のを、着るわけないでしょ」

正志「ん? そうなのか? 別に、そんなの気にしなくていいと思うけどな」

陽菜「……で? ど、どうなのよ? 感想ぐらい言ったら?」

正志「んー。結構派手な水着だな。今はそんなのが流行なのか?」

陽菜「あんたが、急に海に行くなんて言い出すから慌てて買いに行ったら、これしかなかったのよ!」

正志「あ、悪い。新しく買わせちゃったのか」

陽菜「いや、別にあんたが謝る必要ないわよ……って、そこの感想じゃなくて!」

正志「え?」

陽菜「あー、もういいわよ」

正志「なんで、怒ってるんだよ?」

陽菜「あんたが、女心がわからないからよ」

正志「ごめん。けどさ、今日は来てくれてありがとな。助かったよ」

陽菜「あのさ……なんで、私を誘ってくれたの?」

正志「陽菜しかいないって思ったんだ」

陽菜「え?」

正志「俺に付き合ってくれるのは、いつもお前だけだからさ」

陽菜「正志……」

正志「いつもさ、感謝してるんだぜ? ほら、俺、いつもバカばっかりやってるだろ? 清や総士、隆志に呆れられる始末だ。けどさ、お前だけはいつも俺に付き合ってくれる。俺の味方でいてくれる。今日だってさ、お前が来てくれなかったら、海まで来ようなんて思わなかったよ」

陽菜「……わ、私ね、いつも正志の味方だよ! 世界中の全員から嫌われても、私だけは絶対、正志の味方だからね!」

正志「ははは。お前が味方なら、世界の全員じゃなくなるじゃん!」

陽菜「……あんたねー。空気読みなさいよ! そこは無駄に論理的に考えるところじゃないでしょ!」

正志「よし! じゃあ、そろそろ海に入ろうぜ」

陽菜「う、うん……」

ちゃぷっと水に足を入れる音。

正志「それ!」

正志が手に水をすくって、陽菜に掛ける。

陽菜「きゃあ! やったわね! それ!」

今度は陽菜が手に水をすくって、正志に掛ける。

正志「あははは!」

陽菜「ふふふふふ!」

お互いに水を掛け合う。

場面転換。

正志「ふう。久々に水遊びをするのも楽しいな」

陽菜「そうね。子供の頃、思い出しちゃった」

正志「他に、海っていったら何すればいいんだろうな? スイカ割りとか?」

陽菜「さすがにスイカ割りは無理じゃない? スイカ、買ってないし」

正志「そっか。じゃあ、ビーチバレーとか?」

陽菜「ボールないし、二人だと虚しくならない?」

正志「んー。そうだよな。えーっと、じゃあ、どうするかな……?」

陽菜「いいんじゃない? 何もしなくって」

正志「え?」

陽菜「こ、こうやって、二人きりで話すだけでも、私はいいと思うけど……」

正志「そうか? それだと、いつもと変わらなくないか?」

陽菜「いいの。こうやって、二人っていうのが。学校とかだと、なかなか二人きりってなれないじゃない」

正志「うーん。そうかなぁ?」

陽菜「それにさ、海の波の音を聞くだけでも、なんか海に来たって感じしない?

正志「あ、それはある! やっぱ、海と言えば波の音だよな」

陽菜「なんか、落ち着くよね」

正志「そうだな……」

陽菜「……ねえ、正志」

正志「ん?」

陽菜「今度は……また、海に連れてきてくれる? 二人きりで」

正志「ああ。いいぜ。そのためには小遣い貯めねえとな」

陽菜「じゃあ、また、私がお小遣いの管理してあげるよ」

正志「ええー、お前の管理エグイからな。一か月、駄菓子生活になるだろ」

陽菜「あのねえ、それくらいしないとお金貯まらないでしょ」

正志「けど、毎月、色々と欲しいものは出てくるからな。漫画とかさ」

陽菜「はあ……。こ、これは結婚しても、お金はわ、私が管理するしか、ないわね」

正志「まあ、俺はある分使っちまうからなー。結婚したとしても、嫁に管理してもらわないと、借金地獄になりそうだ」

陽菜「よ、嫁……」

正志「さてと、じゃあ、そろそろ……」

カラカラとドアが開く音。

清「正兄ぃ、庭で何やってんの? あれ? 陽菜ちゃん?」

陽菜「きゃああああー! み、見ないでー!」

清「? それより、正兄ぃ、結局、ビニールプール出したんだね。それと、この波の音、なに? スマホから流してるの?」

正志「ふっふっふ! 海水浴場ごっこだ!」

清「……あっそう」

正志「なかなか楽しかった。明日は隆志と総士も誘ってやろう」

清「……隆志はまだしも、総士は無理だと思うよ」

正志「いや、これ意外と楽しいんだって」

清「……陽菜ちゃん。あんまり、正兄ぃの馬鹿に付き合わなくていいからね」

陽菜「あううう……」

終わり。

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