【声劇台本】西田家の受難 休日の過ごし方
- 2021.02.24
- ボイスドラマ(10分)
■シリーズシナリオ
<シュークリーム事件> <西田怪談> <留年未遂事件>
<幼馴染の謎の行動> <アウトドアの恐怖> <ご馳走>
<クリスマスと不思議な旅> 〈初恋の約束〉 〈初夢とおみくじ〉
〈睡眠不足?〉 〈日本の変わった文化〉
■概要
人数:5人
時間:10分
■ジャンル
ボイスドラマ、学園、コメディ
■キャスト
西田 正志
西田 清
西田 総士
西田 隆志
高坂 陽菜
■台本
正志と陽菜が並んで歩いている。
陽菜「ねえ、正志。明日は何するの?」
正志「ん? 明日?」
陽菜「ほら、祝日じゃない」
正志「あー、明日、学校休みなのか……」
陽菜「あれ? 嬉しくないの? まさか、正志って、学校が好きなタイプ?」
正志「いや、別に学校が好きなわけじゃねーけど……」
陽菜「それじゃ、なんで暗い顔をするのよ」
正志「休みって言ってもなー。休めるわけじゃねーんだよ」
陽菜「ん? 何か予定でもある、とか?」
正志「いや、別に何にもないんだけど」
陽菜「ふーん。じゃあ、暇なんだ?」
正志「んー。まあ、今のところは暇の予定かな」
陽菜「……?」
場面転換。
携帯のアラームが鳴り響く。
正志「ん、んー!」
アラームを止める。
正志「……ああ、平日でセットしてたからな。わざわざ設定し直すのも面倒だったし、しゃーねーか。……さてと、二度寝、二度寝」
勢いよくドアが開き、隆志が入って来る。
隆志「正志お兄ちゃん、あそぼ―」
正志「……清に遊んでもらえ」
隆志「えー、でも清お兄ちゃんが、正志お兄ちゃんに遊んで貰えって」
正志「ちっ! あいつ。舐めたことしやがって」
隆志「ねー! 遊ぼー! 今日、学校、お休みなんでしょー?」
正志「……総士に遊んでもらえ」
隆志「……はーい」
トボトボと部屋を出ていく。
正志「やれやれ。これでゆっくりと二度寝できるぜ」
ドタドタと足音が近づいてくる。
勢いよくドアが開き、隆志が入って来る。
隆志「正志お兄ちゃん、あそぼ―」
正志「……総士はどうした?」
隆志「いなかった」
正志「……ああ、朝練か」
隆志「あーそーぼー」
正志「はいはい。わかったよ……」
ガバッと起き上がる正志。
場面転換。
隆志「あはははは! もう一回!」
正志「はいはい」
ガチャリとドアが開き、清が入ってくる。
清「あれ? 正兄ぃ、もう起きてたの? 休日なのに珍しいね」
正志「人に押し付けておいて、よくもぬけぬけと……」
清「ああ、ごめんごめん。昨日は夜更かしし過ぎて、眠かったんだよ」
正志「起きて来たなら交代しろ。俺は二度寝する」
清「わかったよ。隆志、今度は俺と遊ぼう」
隆志「うん!」
正志「ふわー! 休日なのに、平日よりも早く起きちまったぜ……」
ガチャリとドアが開き、総士が入ってくる。
総士「ただいまー。って、あれ? 珍しいな。休日のこの時間で兄貴が起きてるなんて」
正志「これから、二度寝するとこだ。……起こすなよ」
総士「あー、腹減った。飯は?」
正志「……テーブルの上にでもあるだろ」
総士「ねーけど」
正志「無いなら、なんか作ればいいだろ」
総士が冷蔵庫を開ける音。
総士「冷蔵庫の中、なんもないけど」
正志「カップ麺とかは?」
清「昨日、兄貴が夜食で食べたのが、最後だって言ってなかった?」
正志「うっ! そうだったな」
総士「兄貴、責任取って、なんか買って来てよ」
正志「はああ? なんでだよ?」
清「でも、何かしら買いに行かないとダメなんじゃない? 正兄ぃだって、腹減って眠れないんじゃないの?」
正志「……」
グーっと腹の音が鳴る。
正志「よし! 兄貴命令だ! 総士、何か買ってこい!」
総士「パス! 兄貴の命令をきく責任なんてねーし」
正志「ぐぬぬ……」
清「じゃんけんで決めようよ。恨みっこなしでさ」
総士「いいぜ」
正志「ふん。愚か者どもめ。俺にじゃんけんで勝てると思うなよ」
総士「最初はグー!」
清「じゃん、けん」
正志「ほい!」
場面転換。
袋を持って歩く、正志。
正志「くそっ! なんで俺が買い物なんか……」
ガチャリとドアを開けて、家に入る正志。
正志「ただいまー」
総士「兄貴、遅いよ!」
正志「……殴るぞ」
場面転換。
隆志「ごちそーさまでした!」
正志「ふう。食った、食った。……よし、俺はこれから昼寝するからな! 起こすなよ! 絶対だぞ!」
総士「はいはい。おやすみ」
清「ちゃんと着替えなよ。そのまま寝て、服がシワになったら、また母さんに怒られるよ」
正志「……わかってるよ」
場面転換。
ベッドにダイブする正志。
正志「よし、寝るぞ! こうなったら夜まで寝てやる!」
その時、チャイムが鳴る。
正志「……」
清「正兄ぃー、陽菜ちゃん、来たよー」
正志「……」
場面転換。
陽菜「あー、やっぱり。昼過ぎなのに寝てたんでしょ?」
正志「……」
陽菜「ま、まあ、その……暇そうだし、仕方ないから、出かけるの付き合ってあげるわよ」
正志「……俺、出かける予定なんてねーんだけど」
陽菜「いいから、早く着替えてきなさいよ! 駅前に新しい店が出来たから、一緒に見に行くわよ」
正志「……強制イベントかよ」
場面転換。
正志と陽菜が並んで歩く。
正志「なあ、祝日って休日とも言うよな」
陽菜「そうね」
正志「……休日って、休む日って書くよな」
陽菜「そうね」
正志「俺を休ませようって思わないか?」
陽菜「思わないね」
正志「……そっか」
陽菜「うん」
正志「はあ……。これなら、まだ学校の方がよかったな……」
終わり。
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